はじめに
本記事では金属アレルギーやニッケルアレルギーによる痒みと、それに対する市販薬の効果について、PDF資料や市販薬の添付文書を参考にして情報をまとめました。
「市販の塗り薬で効果があるのか」
「そもそも塗ってもいいのか」
こんな疑問をお持ちの方は目を通してみてください。
市販薬は金属アレルギーに効く?
基本的に、市販薬で金属アレルギーを治療することはできません。
金属アレルギーによる接触性皮膚炎を抑えるには、原因となる金属(ニッケル、コバルト、クロムなど)へ触れる機会を無くす・減らすことが一番の対策となります。
市販薬では一時的にかゆみを軽減したりすることは出来るかもしれませんが、それ以上の効果は期待できないと言ってよいでしょう。
皮膚科医による金属アレルギーに関するPDF資料でも、市販薬についてはほとんど言及されていません。
市販の塗り薬と金属アレルギー
一応、市販の塗り薬について、その添付文書(ネットでPDFが公開されている)を基に見てみましょう。
オロナイン
オロナインは消毒・抗菌クリームです。
添付文書には、湿疹(ただれ・かぶれ)には使用しないでください、と記載されています。
そのため、金属アレルギーによる湿疹には使用しない方が無難でしょう。
ゲンタシン
ゲンタシンは抗生物質です。
金属アレルギーでお肌が痒くなり引っ搔いてしまった場合、その傷口に細菌が感染したり増殖することを抑える、という用途で使うことは出来るかもしれません。
が、金属アレルギーそもそもの対策にはなりません。
フルコートf
フルコートfは、市販薬ですが、ステロイドを含む薬です。
添付文書には、湿疹、皮膚炎に効能があると記載されており、公式サイトの「こんな症状に」というページには金属かぶれも症状一覧に含まれています。
金属アレルギーによる皮膚炎を病院で診てもらう際もステロイド外用薬を処方されることが多く、市販薬の中では比較的、金属アレルギーにも効果がありそうです。
ただし、ステロイド外用薬には強さのランクがあり、症状に応じて使い分ける必要があります。医師に診てもらい、適切な薬を処方してもらうか、万が一薬が無い場合はフルコートfを使用しても良いか、など訪ねておくべきでしょう。
まずは病院で医師に相談
「金属アレルギーかも」と思ったら、まずは皮膚科を受診してください。
医師と共に、その皮膚炎の原因が金属アレルギーであるかどうか確認したうえで、今後の対策を相談しましょう。
ピアスやベルトバックルが原因であれば、ニッケルを含まない製品を使用するといった対策が考えられます。
病院では炎症やかゆみを抑えるため、ステロイド外用薬(塗り薬)や抗ヒスタミン薬(飲み薬)が処方されることもあります。私も金属アレルギーで受診した際、実際にそれらの薬を処方されました。
本記事の総括
以上、本記事では金属アレルギーと市販の塗り薬について解説しました。
すぐに病院に行くことが出来ず、一時的な対応が必要な場合、市販のステロイド外用剤を試してみてもいいかもしれません。
が、一番は医師に診てもらうことです。そもそも金属アレルギーかどうか、を確認したうえで、適切な薬を処方してもらいましょう。