はじめに
「ベルトをするとバックルの当たる部分が痒い」
「ピアスやネックレスをすると皮膚が赤くなる」
このような方は金属アレルギーの可能性があります。自分で判断せず、皮膚科を受診して、本当に金属アレルギーなのか確認したほうが良いかもしれません。
今回、金属アレルギーの検査について、その方法や流れについて調べてみました。分かったことをまとめて紹介していきます。
金属アレルギーの診断はパッチテストが一般的
金属アレルギーは、原因となる金属に触れること、もしくは原因となる金属を摂取することにより引き起こされます。
いずれの場合でもまずはパッチテストを行い、身体がどの成分に反応するか、を確認します。
足立厚子医師によるマルホ皮膚科セミナー資料においても、基本的にパッチテストで判断する、とあります。
まずはパッチテストから始めるのが通常
http://medical.radionikkei.jp/maruho_hifuka/maruho_hifuka_pdf/maruho_hifuka-161229.pdf
なお、パッチテストは金属アレルギーのみを検査するものではなく、ほかの成分への反応もまとめて検査することになります。
金属アレルギーの方が注意する成分は主にニッケル、コバルト、クロム、などです。
食物の摂取制限試験を行う場合も
手のひらの汗疱上湿疹や全身の痒疹が、実は食物に含まれる金属(ニッケル・コバルト・クロムなど)が原因で引き起こされている場合があります。
このような場合、パッチテストに加えて、食事による影響を観察することがあります。
例えば、チョコレートやナッツなどのニッケル・コバルト・クロムを多く含む食品の摂取を制限して体調が良くなるかどうか、逆に摂取して悪化するかどうか、を観察します。
金属塩を実際に内服する、という方法もありますが、結果の判定が難しいなどの理由により一般的ではありません。
パッチテスト実施の流れ
パッチテスト実施の流れをひとつずつ見ていきましょう。
背中へパネルを貼り付け、2日間放置
背中へ2つのテストパネルを貼り付け、2日間放置します。
その間は入浴出来ないので、パッチテストは汗の少ない涼しい時期に行うことが多いです。
2日経過したら剥がして判定
2日後に再度病院へ行き、パネルを剥がします。
パネルを剥がしたら、皮膚の反応を診て、パネルを貼っていた箇所が分かるよう皮膚へペンでマーキングを施します。
こうして、数日後にまた観察します。
その後も必要に応じて判定
その後も必要に応じて観察を行います。マーキングが消えないよう、患者さん自身で書き足すようお願いされることもあります。
しばらくの観察を経て、医師からテスト結果を報告してもらいます。
よくある質問
パッチテストは自分で出来る?
パッチテストを自分で行うことは不可能です。パッチテスト試薬を入手することがそもそも難しいです。
自己判断で怪しい金属や薬品をお肌へ触れさせてしまうと、お肌に異常が現れてしまうかもしれません。
安全のためにも、医師の指導の下で行うべきです。
費用はいくら?
費用は診察代、検査代含めて5,000-6000円ほどです。初診の場合、初診料が別でかかります。
結構高いですよね。
予約はするべき?
予約可能な病院であれば、事前に問い合わせて予約するべきです。
予約するにせよしないにせよ、まずは身近な皮膚科へ事前に問い合わせてパッチテストに対応しているか確認しましょう。
病院によっては、医師のスケジュールの都合によりパッチテスト対応可能な曜日・時間帯が限られていることがあります。
パッチテストは痒い?
パッチテスト体験者の私から言わせると、とても痒いです。
成分と反応して痒いわけではありません。貼り付けたシートの角や縁が皮膚を刺激してかゆかったです。絆創膏を貼ると、その周囲がかゆくなるあの現象と同じです。
パッチテストは行うべき?
正直、パッチテストを行う前から明らかに「金属アレルギーだろ!」という症状が出ている人がほとんどだと思います。値段も高いし、経験者からすると行うべきかどうかははっきりとは言えません。
一応、検査後には「やっぱりそうだったんだ」という安心は得られます笑
お医者さんと相談して決めるとよいでしょう。私が受診した医師も、特に無理やりパッチテストを薦めてくるわけではありませんでした。
参考にした資料
本記事の参考にした資料一覧はこちらの記事で紹介しています。
本記事の総括
以上、本記事では金属アレルギーの検査とパッチテストについて、調べて分かったことを解説しました。
金属アレルギーが心配な方はとりあえず皮膚科を受診するのがおすすめ。パッチテストを検討するよう伝えられた場合は、ご自身でも必要かどうか考えて判断してよいと思います。
参考になれば幸いです。