チョコを食べると肌が痒くなることがある
チョコレートは、ニッケル・クロム・コバルトという3つの金属を他の食品と比べて多く含有しています。そしてこの3つはいずれも金属アレルギーの原因になりやすい成分であることが知られています(パッチテストで陽性反応となりやすい)。
後述しますが種や木の実類のほとんどはニッケル含有量が多いです。チョコレートも元をたどればカカオ豆であるため結果としてニッケル多めの食品となっているのです。
逆にいえば、チョコレート菓子でも加工が多めのもの、例えばアイスクリームなどは板チョコや高カカオチョコと比べるとニッケル含有量が少ないと考えられます。ただしアイスも製品によってはチョコ以外のニッケル含有食品や添加物を使用している可能性もあるため一概には言えません。
製品や含まれるチョコ以外の原料にもよりますが、チョコレート菓子のニッケル含有量は100g辺りだいたい120~260ugという調査報告があります。
食品で金属アレルギーになる流れ
チョコレートなど、金属アレルギーの原因となりやすい成分を多く含む食品を摂取するとそれらは体に吸収された後、汗や尿などとなって排泄されるのですが…
それらが皮膚などに接触した結果として、炎症などのアレルギー反応を起こすのです。特に汗はニッケル濃度が高く、金属アレルギー持ちの方は汗をかきやすい部位(掌や足の裏、おしりなど)に肌トラブルが起きてしまうのです。
具体的な症状としては水泡や皮疹の発生、汗をかくとお肌がかゆくなる、などが挙げられます。
ニッケルを多く含む他の食品
チョコレートの他には以下の食べ物が、ニッケル含有量が多いと知られています。
- 豆類:全て
- 木の実:全て
- 穀類:玄米、蕎麦、オートミール
- 野菜:ほうれん草、レタス、カボチャ、キャベツ
- キノコ:マッシュルーム
- 海藻:全て
- 魚介類:牡蠣、鮭、ニシン
- 香辛料:全て
- 飲み物:紅茶、ココア、ワイン
- その他:タバコや漢方薬など
他食品と比べて金属を多く含む食品の一覧表は、ネットで無料で閲覧可能な専門医などによる資料にまとめられています。そちらもチェックしてみると良いでしょう。
役に立つ資料一覧はこちらの記事に掲載しています。
食事をどう変えるべきか
1.基本的な考え
チョコレートをはじめとして、いくつかの食品が金属アレルギーの原因となりやすい成分を多く含んでいることが分かりました。
ただし、極端にそれら食品を避けることは良くありません。医師の指導無く食事制限を行うと栄養の偏りや不足により体調が悪くなってしまうかもしれないからです。
また、生活する上で意識しすぎると精神的な負担にもなります。
「この湿疹は普段食べてるあれが原因?」と心当たりがある方はまず医師に診察もらい、関連性が疑われたら指導のもと取り組むという流れになります。。
2.これまで過剰に摂取してきた人の場合
「ポリフェノールが良いと聞いたので高カカオのチョコを毎日食べている」「納豆は健康にいいから毎朝食べている」と、無意識のうちにニッケルなどを多く含む食品を過剰に摂取している方も多いそう。
そのような方は、生活に支障のない程度に摂取量を抑えてみてもいいでえしょう。
【総括】チョコの食べ過ぎは控えよう
以上、チョコレートが含有するニッケル・コバルト・クロム、それらが金属アレルギーの原因となる理由、そして行うべき対策について解説しました。
「原因不明の手湿疹が…」など気になる症状がある方はひとりで悩まず医師へ相談しましょう。チョコレートのように思ってもいなかった原因が隠されているかもしれません。
本記事が参考になれば幸いです。